2014年11月28日金曜日

「紅葉と鎖場の岩殿山ハイク」無事終了。

大月まで来ると、富士山はとても近く見えます。
この日もその秀麗な姿を楽しませていただけました。
十二ヶ岳登山にも参加した小3の女の子。
フィフィの使い方がとってもじょうずで模範的でした。 
本当はカラビナをかけるのが望ましいトラバース。
でもフィフィをかけるだけでも「少しは」役立つでしょう。
万一のとき落下距離が最小になるよう、スリングの長さを配慮します。
ここでもし落ちれば、はるか下の紅葉のさらに下まで吹っ飛びます。
こういうときにフィフィはたいへん心強いのです。 
稚児落としで崖の際までいきたいというので、ロープ着けました。
修験道に「地獄のぞき」という荒行がありますが、そのようなものです。
「紅葉のなかのほっとできる瞬間」なんてはずはありません。
こういうときに重大事故が起きるのです。
「はい、気を抜かない」「ここでミスったらただじゃ済まないよ」
と、ときどき注意を喚起しました。 
スリルを求めるのは、子どもの本能かもしれません。
「死ぬかもしれない」という経験は自他の命をたいせつに思う根源になるはず。
スリルから解放されても、どこかで気を張っていてほしいと願っています。
11/24(月・振休)、9名様のご参加者(うち4名が小学1年生から3年生)とスタッフ1名あわせて10名で大月市の名峰・岩殿山から稚児落としへの稜線を歩くハイクが無事終了しました。
この日は小春日和で紅葉の状態もよく、スリリングな岩場の通過もフィフィとスリングという用具を利用して安全性を高め、ご参加者のみなさんからたいへん好評でした。

岩殿山から稚児落としへのルートは、ウェブ上の情報では初心者向きと記されていることを散見します。
しかし、このルートをなんの対策も講じずにお子さんと歩くのには慎重なご判断をされたほうがよいと私は考えます。
途中に数カ所の鎖場を使った上り下りやトラバースがあるのですが、これらは「もしヘマをしたら」死ぬ恐れがあるところだからです。

この日のご参加者は過去の地球野外塾の活動のリピーターばかりで、このスリリングな鎖場をもっとも楽しみにして本活動にご参加されました。
私もこれらのみなさんならば安心だと思っていましたし、実際にフィフィとスリングを適切に使いこなして難所を通過されました。
それでもなお、高度感に気圧されていつものようなスムーズな動きができない子もいたし、親御さんからは一様に「この場所に(フィフィやスリングの)準備なしに来ることは考えられない」といった感想がもれました。

この日使ったフィフィは、カンタンに説明すると40Kn(キロニュートン)の荷重に耐える金属のフックです。
スリングというナイロンテープを結んで作る簡易ハーネスにフィフィを連結させ、フィフィを鎖にひっかけると体勢が安定して両手を離すこともできますので、転落を予防する手助けになりますが、何メートルも落下したときには衝撃で破壊されるでしょう。
こうした特徴をもつ用具の活用方法と限界を岩殿山上の東屋でご理解いただいたうえでその後に現れる難所でご活用いただきました。

この日、お伝えしたことはつぎのとおりです。
・スリングを使った簡易ハーネスの作り方
・フィフィとスリングの連結の方法
・スリングとフィフィの強度について
・フィフィの形状による長所と短所
・フィフィの使用方法

フィフィとスリングあわせて2000円くらい・わずか百数十gの用具が、鎖場の通過ではどんなに心強いかをご理解いただけたと自負しています。

一般登山道での転落事故は、クライミングの転落事故に較べて圧倒的に多いのですが、その理由のひとつは安全策についてあまり知られていないことがあると思います。
一般登山道の難所通過に求められる安全策に必要な用具には
・携行が楽であること
・一度教われば操作が簡単であること
・迅速なセッティングと操作ができること
の3点の要件と、その安全策がどの程度まで有効であるか、というバランスの認識がたいせつです。
そして、もうひとつ知っておいていただきたいのは、難所通過のあと、気が抜けたときの転落事故が意外に多いという事実です。

難所通過の経験と知識を少しずつ蓄積して、安全性を担保しながら、ご自身と自然とのおつき合いの幅をさらに広めていただきたい、と強く願っています。

ご参加者のみなさま、本当にありがとうございました。