2020年の重点目標:減災に役立つ知恵と経験の共有。

2020年の重点目標を
減災に役立つ知恵と経験の共有
に定めました。

創立以来の標語「楽しく自然から学ぼう」が私たちの願いを表現しているので、いままで年ごとの重点目標は定めませんでした。

しかし昨年は 、大地震の発生確率ならびに被害予想データが厳しい内容で更新・発表され、秋には関東でも今までに例がない規模の台風被害がありました。
そうした現況に前向きに対処するため、2020年は災害時に命を守るのに役立つ方法や知恵を活動の都度、共有します。
それにより「被災直後の危険な数日にケガや病気を防いで生きのびられる人を増やす」という具体的な成果を目指します。

日常の自然体験には、じつは災害時に役立つノウハウが含まれています。
しかし、自然体験と減災を関係づける意識がなければ、両者の融合は難しいでしょう。
たき火やキャンプに親しんだり、野外道具を使ったりするとき「いまやっていることや使っているモノでどんな危険に対応できそうか」考えてみる習慣は大切ですね。

被災時に生命が脅かされる危険を時系列で3つに分類し、私たちができることを明らかにします。

第1の危険は、被災の瞬間に生命を脅かす要因。
危険の本質は、ありのままの自然。
地震、津波、風水害、山火事、噴火など…

第2の危険は、第1の危険と同時または時間差で迫ります。
危険の本質は、私たちの生活を支えるモノやしくみが破綻 / 変質した脅威。
火事、崖崩れ、堤防決壊、家屋倒壊、重量物の転倒など。

これら2つの危険は電光石火で襲来するので、命運を左右するのは
・運
・十分な強度がある構造物など
・絶対に生きのびるという強い意思
→重要
・災害で助かった先人の知恵を生かした行動
など
です。

第3の危険は、第1、2の危険を免れた後でもサポートを得られる社会システム内に復帰できない限りじわりと迫ります。
具体的には…
・ケガ
・持病
・水道、ガス、電気、情報、交通の遮断
・退避中に新たに負ったケガや病気
・栄養や水分の不足
・心身の休息の不足
・休息で癒えないストレス
など
ただし大規模な余震があると第1,2の危険に戻る恐れあり。
減災で私たちが担える役割は次の2つです。
私たちの役割1. 災害で助かった先人の知恵を共有する。
2. 第3の危険を緩和する方法を共有する。
具体的には次のような内容です。
減災につながる活動内容・被災地を訪ねて学ぶ。
・実践的な災害対策情報の共有。
・初歩的な生理学の知識を得る。
・ケガや病気を防ぐ方法を知る。
・旧来の道具や装備の利点を共有する。
・最低限の救急法を知る。
・最少限のものを活用する。
・火をおこして活用する。
・効果的な休息方法を知る。
・効率よく移動する。
など…
災害は実際に体験すると経験値が非常に高まりますが、いつ起きるかわからないし、災害と呼ばれるレベルの被災は危険すぎる。
自然体験では、災害時に似せた環境を作って対応を予行練習できます。

たとえば…
・ガス・電気がない
・ガス・電気・水がない
・加えて、人里離れた遠隔地

のように、安全を確保しながら意図的に不便度を高めて対処する経験ができます。

安全で意図的な予行練習のなかで大切にしたいのは試行錯誤の機会。
被災時は、どんな悪条件が重なりあうかわかりません。

命にかかわる重大な局面は、ひとつひとつの都合が悪い出来事が、運が悪いことに全部重なることで起きることがきわめて多い。
いいかえれば、悪運中たったひとつの都合が悪い出来事を解決してあげるだけで、命が助かる事例は多いのです。

「たったひとつでも都合が悪い出来事を解決する」ために、予行練習では失敗から学習し、成功しても別の解決策を模索する気持ちがたいせつ。
防災訓練などでは時間の都合から十分に経験できないことってありますから、きちんと時間をかけて試行錯誤する機会を設けます。

みなさんの試行錯誤から私たちが気づき、教えられることが、必ずあります。
それらもまた共有します。
そうやって知恵と経験を高め合いましょう。