2009年7月18日土曜日

「低体温症」を知る

昨日記した大雪山系での遭難から学ぶ点のひとつに、低体温症に対する認識があります。
かんたんに記します。

ひとは「恒常性の維持」(高校のときに習いましたね)という機能を備えていて、ふつうは体温が36℃前後です。
しかし、外部の環境によってこの体温が下がり、生理的に不具合が生じて最悪の場合は死に至るのが低体温症です。

では、体温が何℃くらいに下がると自ら備わっている「恒常性の維持」機能を失って死の危険性がでてくるのでしょうか?

答えは34℃です。
たった2℃体温が下がるだけで危険な状態に陥るということを覚えておいてくださいね。

それでは、どんな外部環境が私たちの体温を下げる原因になるのでしょうか? 以下に列記します。

▼こんな環境に注意
・気温が低い
・汗や雨、雪、水などでからだがぬれる
・風に吹かれる

▼低体温症の予防法
・からだをぬらさないようにする
 →汗をかくようならば衣類を脱ぐのもたいせつ
・ぬれても暖かい素材(羊毛や昨今のすぐれた化学繊維)の下着をつける
・頭部と臓器がある上半身から腰部をとくに冷やさないようにする
 →スキー帽のような帽子(ビーニー)やフリースのベストなどを用意・着用する
・大血管がとおる首、上腕、ふとももを冷やさないようにする
 →スカーフや適当な下着などを用意・着用する
・行動食をきちんと食べる、温かい飲み物をとる
 →外部からエネルギー源を摂りつづける。小型ポットも役立つ。
・風を防げる雨具やパーカを着用する
・無理は禁物
 →焦ると余分なエネルギーを消耗し続ける

▼低体温症の症状
A危険時:強い疲労感がある、思考力が低下してくる、動きが雑になってくるなどの症状が出始めたら注意。
疲労と症状が似ているが、唇のいろが紫になる、顔が白けてくる、手が冷たいなどを観察する。
B緊急時:もっと症状が進むと、ガタガタ震えてくる。歩けなくなる。震えがなくなり、意識不明になる。死ぬ。

▼対応
A危険時 要救護者の自力回復を援助、エスケープ検討と決断
・帽子、マフラー、手袋があれば着用させる
・小屋またはツエルト、テントで休ませる
・衣類がぬれていれば乾いているものに着替えさせる
・温かい飲み物を飲ませる
・大血管がとおるわきの下、またの付け根などを携帯カイロなどであたためる
 湯をわかしてプラティパスなどに入れてあたためてもよい
B緊急時 すみやかに外部に救助要請、搬送・脱出
 医療機関での手当が必要。 保温してできるかぎり体を動かさぬよう搬送。

とくに危険時での判断がたいせつです。エスケープの方法をつねに考える習慣もたいせつです。

Foreigner "Cold as Ice"